The Challenged future Vol1~吃音症を抱えるイラストレーター

The Challenged futureは障害を抱える人が社会でどのように活躍しているかを紹介し、同様の悩みを抱える人たちに少しでも多くの選択肢を提供したいという想いで活動しております。

初めての取材に応じてくれたのはこの方!

ゆゆぱんち様

名前:ゆゆぱんち
職業:イラストレーター
略歴:美術専門学校を卒業後、新卒で正社員をするも吃音症でパワハラにあってから 「好きなことを仕事に  する」ことを決意し転身。週3日派遣社員をしつつ副業として漫画・イラストのご依頼を受けるようになり1年、派遣社員の月収を超えることに成功。
HP:https://www.yuyupanchi.com/
Twitter:@ayuku05

それでは早速色々お話を聞かせて頂きましょう。

ゆゆぱんち様の障害について教えて頂けますか?

生まれつき「吃音症」という障害を抱えております。「吃音症」自体は幼児・児童期に一時的に発症タイプ(発達性吃音)がほとんどで、大半は自然に症状が消失したり軽くなったりするみたいです。ただ一部は私のように何歳になっても改善せず、成人を迎える人もいます。

吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。単に「滑らかに話せない(非流暢:ひりゅうちょう)」と言ってもいろいろな症状がありますが,吃音に特徴的な非流暢には、以下の3つがあります。

  • 音のくりかえし(連発)、例:「か、か、からす」
  • 引き伸ばし(伸発)、例:「かーーらす」
  • ことばを出せずに間があいてしまう(難発、ブロック)、例:「・・・・からす」
国立障害者リハビリテーションセンター

ありがとうございます。
吃音症によって苦労されたことはありますか?

いじめ、パワハラなど「普通に話せないことによって話し方を真似される」「からかわれる」「気持ち悪がれる」など、対人関係の悩みがほとんどです。
学生の頃は国語の時間に訪れる「音読」の時間が恐怖でした。また飲食店での注文ですらどもって言えず、メニュー表を指さして「これ」と言って伝えておりました。
最低限人間ができる「話す」ということが出来ない、ということはやはり「私は普通じゃないんだ」「普通には生きられないんだ」と幼いながらに感じておりました。

(想像以上に苦労されているっ)
それでは現在の職に至るまで、どのような経験をされてきましたか?

人前に出る経験を積めば吃音症は治るのではないか、と小学生の頃に思い、それ以降中学・高校では生徒会活動を行っておりました。もちろん廊下を歩くだけでコソコソと陰口を言われクスクス笑われ、「お前そんなんでよくやるよな」なども言われておりました。ただ学生時代の人間関係など大人になるとないも同然。
その気持ちでチャレンジしておりましたが、「人前に出る経験を積めば吃音症は治る」という私の考えは甘く、やはり障害というものは一生ついてくるもの。どれだけ恥を忍んで挑戦をしていても治ることはありませんでした。
その後就職した先の医療事務で「障碍者を雇っていると思われるからちゃんと話して」など院長に言われるなど吃音症を理由にパワハラを受けました。自殺願望まで芽生え、自殺未遂を繰り返すようになったため退職しました。その後は精神的にもやられていたため、自分の障害について理解してくれる職場を探し、有難いことにそこで配慮していただきながらお仕事を続けております。
将来的には完全に家で完結するお仕事がしたく、副業としてデザイン・イラストレーターを始めました。有難いことにご依頼を順調に頂き、今はこのまま独立することが目標です。

(なんだこの病院の院長、昭和感がすごい。障害の有無関係なく合わなそう)
このお話はご自身のエッセイ漫画として公開もされていますね。
ゆゆぱんち様のエッセイ漫画はこちら
こういった経験を得て辿り着いた現在の仕事のやりがいや楽しいと思えるところを教えて下さい!

現在は主にメッセージでのやり取りがメインなので、自分の伝えたいことがきちんと伝えられる、気持ち悪がられることがなくお仕事ができる、ということが他とは違う良い点だと思います。
やはり「普通に話せない」ということは一般職である「営業」「事務員」などは電話対応が必ずついてくるため、私にはできません。
苦手なことをせず得意なことをとことんやる、その生き方が私には合っていました。
また、自分が行動すればするほど出会いが広がっていく、というところにとてもやりがいを感じます。普通の仕事だと一部の業界の方としか出会うことはできませんが、クラウドソーシングを利用すると様々な業界・媒体の方がいらっしゃいます。この中で障害を抱えていらっしゃる方、障害者向けのサービスを経営されている方など、自分にとってプラスの気持ちになれる出会いが沢山ありました。
将来的には自分の過去のように悩んで苦しんで気持ちが落ち込んでいる人に、何かできるようになりたいと思っております。

(自分の過去のように悩んで苦しんで気持ちが落ち込んでいる人に、何かできるようになりたい…弊社と一緒だ、勝手に感動)
もし今あなたと同じ仕事をしたいと思う人がいたら、どうすればなれると思いますか?

今私は①漫画家 ②イラストレーター ③DTPデザイナー
この3つのお仕事をしております。
①    ②は主に絵を描くお仕事ですので、好きでないとできないかもしれません。
もちろん継続すればお仕事をいただけるように上達はします。
ただDTPデザイナーは何歳からでもなれるお仕事です。主なお仕事内容としては「企業様のロゴ作成」「名刺作成」「チラシ・ポスター」「パンフレット」など印刷物の作成がメインとなります。
ここで大事なのは「センス」だとよく思われがちなのですが、実は「知識量」になります。このような場合はどう伝えたらお客様に伝わりやすいかな?どのカラーを使ったら見やすくなるかな?どう配置すればバランスよく見えるかな?など、これらすべては知識で賄えることが出来ます。
まずは何かポストに入っているチラシを持ってきて、自分ならどう作るかを考えましょう。次に同業種の他の会社のチラシはどんな感じかな?と調べてみましょう。そこでの違いと気づきが知識の引き出しとなります。今日がデザイナーになれる最短の日です。レッツトライ!

ありがとうございます!
最後に同じ障害や悩みを抱えている方にメッセージをお願いします!

どうしても障害というのは、影のように一生ついてきてしまうものです。完治させようと向き合い続けていると、気持ちがしんどくなってしまいます。
なので「どう向き合うか」ではなく「どう上手いことこなしていくか」と考えてほしいです。
ハンデを抱えながら普通に見せようと生きるだけで、もうすでに毎日頑張っています。
「誰かのサイズに合わせて自分を変えることはない」これは私の好きなブルーハーツ様の歌詞です。自分に合った生き方が必ずあります。「生き方はこの道だけじゃない」ということを常に頭の片隅に入れておいてほしいです。

以上、吃音症を抱えながらイラストレーターとして生きるゆゆぱんち様のご紹介でした。
弊社もいつか企業紹介漫画を制作して頂きたいです。(今は予算が…)
ゆゆぱんち様ありがとうございました!

ゆゆぱんち様に許可頂いた作品をいくつかご紹介させて頂きます。

作画参考漫画


株式会社U三では現在社会でご活躍されている障害をお持ちの方、障害者雇用を推進している企業様を大募集しています。
この社会にどのような仕事があり、どのようなキャリアを築いていけるのか、どんな環境があるのか、ご紹介させて頂くことで多くの方により多くの選択肢をご提供できると考えております。
自身・自社の状況を公開しても良いという方がおりましたら、取材費用は一切頂いておりませんので是非弊社へご連絡下さい。

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